導入事例
瀬戸内市教育委員会
GIGAスクール1人1台端末基盤と、
教職員の働き方改革のためのテレワーク環境整備を実現
- GIGAスクール構想前倒しと併せ、教職員のテレワーク環境も整備
- 確実性、安全性と共に教職員の利便性にも配慮
- 新システム環境での新たな学びと働き方のアイデア創出に期待
瀬戸内市教育委員会 様 構成イメージ図
国からのGIGAスクール前倒し要請を受け
教職員のテレワーク環境整備も同時に検討
瀬戸内市は岡山県の南東部に位置する人口3万7千人の風光明媚な地方都市。「子どもが楽しく学び成長を実感できるまち」を目標に掲げ、道徳、外国語、プログラミングなどのICT教育や体験型授業など、ユニークな各施策の充実を図ってきた。2020年4月、新型コロナウイルス感染症の拡大により全国の学校で休業措置が実施される中、1人1台端末の整備を、4ヵ年かけて実施予定であったGIGAスクール構想を今年度中に実施するよう通達があったことから、急遽前倒しする事となった。もともと今年度中に実施予定だった校内LAN整備と、かねてから懸案であった教職員の働き方改革を推進すべく、ソリトンシステムズのセキュリティソリューションを導入した。
瀬戸内市教育委員会 総務学務課 総括主幹の木村正徳氏は、これまでの経緯を次のように語る。
「瀬戸内市では1人1台端末整備については慎重な姿勢でした。教育効果や費用対効果の観点でのエビデンスも明確でないこともあり、予算化への検討を慎重に続けていました。これまで当市では、設備よりも学習の中身をいかに充実させるかという面に力点を置いて活動してきました。市内の学校に独自の助成を行い『瀬戸内市次世代型教育事業』として道徳教育、外国語、ICT活用、現在では保幼小の連携や長欠不登校に対する各校園における研究を支援したり、複数の子どもたちによる協同学習に軸足を置いてきました。しかし、学校休業という緊急時において、ICT活用により全ての子どもたちの学びを保障できる環境を早急に実現することが必要となり、急ぎ検討を進めました。」
木村氏と共にこのプロジェクトを推進した瀬戸内市教育委員会 総務学務課 主事 堀田瑠留氏も「当初計画から大きく前倒しになり、市長部局など関係各署との予算調整などに追われました。」と、その苦労を語る。さらに瀬戸内市は、この機会に懸案であった教職員の働き方改革に対する整備も同時に検討する。その理由を「働き方改革が叫ばれる以前から、介護や育児、遠距離通勤などと仕事の両立に苦労している先生方に対して、一般の企業のように場所に縛られずに業務できる環境を提供したい、という思いがずっとありました。これまでも事務作業の効率化などさまざまな取り組みを行って来ましたが、学校でしか業務できない点は解消できずにいたのです。今回のシステム導入にあたり、テレワークの実現はもう一つの大きなテーマでした。」と話す。
確実性、操作性、実績と「すべてが揃った」
ソリトンのソリューションを選定
瀬戸内市ではさまざまな提案を受けた中から、ソリトンシステムズのソリューションを選択。GIGAスクール向け校内LANの整備としてはオールインワン認証アプライアンスの「NetAttest EPS」(電子証明書)、DHCP/DNSサーバ「NetAttest D3」(DHCP払い出し)、教職員のテレワーク環境として画面転送方式「Soliton SecureDesktop」、ICT環境整備ではファイル受け渡し専用アプライアンス「FileZen」、端末の二要素(顔)認証ソフトウェア「SmartOn ID」、さらにインターネット分離として「Soliton SecureBrowser/Soliton SecureGateway」を採用した。
瀬戸内市教育委員会がソリトンを選定した理由について「これなら、GIGAスクールに向けたネットワーク環境整備とテレワーク環境整備が実現するという確実性が決め手でした。デモを見て、分離環境でも遠隔からでも機微なデータを持ち出しせずに円滑に操作する事ができ、端末の安全を保つ顔認証、さらに同じ岡山県内の教育委員会での導入実績など、ソリトンはすべてが揃っていました。」と話す。
中でも特にこだわったのが操作性です、と木村氏は次のように話す。
「あくまでもICTは一人ひとりの子どもに向き合う時間を確保し、効果的な教育活動を行うためのもの。我々は三層分離環境でのファイルのやり取りの面倒さを経験していますので、先生方には少しでも扱いやすく、業務効率化につながるものを、と考えました。テレワーク用のパソコン端末に顔認証を採用し、認証サーバーを各学校への個別配置ではなく、センター集約構成にしたのも、先生方に余計な負荷をかけることなく業務を効率化し、教育活動に専念してもらいたいという思いからです。」
同市では教職員用に校務系と指導用のパソコン端末も整備。テレワークのシステム導入は改めて、情報セキュリティへの意識改革につながると木村氏は期待する。
「これまでデータ持ち出しに活用してきたUSBメモリよりも、パスワードと顔の二要素認証のパソコン端末の方が安全性を担保できますし、先生方がテレワーク環境でデジタルデータ持ち出しにおける承認プロセス、ICTによる制御などを経験することで、これまで日々の業務の中で行われて来た機微なデータの取り扱いへの意識も、さらに高まると期待しています。」
新たな環境による新たな学びと働き方の
現場発アイデアの創出と発信に期待
2020年9月から新システム環境の実運用が開始される瀬戸内市では、効果を見ながら現在は限定しているリモートからの利用者数を拡大していくことも今後検討していきたいとのこと。木村氏は「もちろん学校内で仕事が完了することが基本ですが、先に述べた育児や介護などの事情がある先生方が学校の外でも業務できることで、現場発で新しい働き方へのアイデアや教育への取り組みが生まれて、それを瀬戸内市から他の市町に発信していければ。」と期待する。また、今回のシステムは市役所職員の働き方改革における期待からも注目されているとのことだ。
最後に、いま教育現場に求められる環境整備のあり方と、ソリトンへの期待をこう語った。
「安定した運用とは単にシステムの安定稼働だけではなく、先生方を含めて皆が安定して教育に活用できること。ネットワーク強靭化とGIGAスクール構想の実現は、場合によってはごっちゃに考えがちですが、新しい環境で新しい学びを生み出すという本来の目的を見失わず、それぞれを整理して捉えることが重要だと考えます。学びと働き方の両方がこれまでになく大きく変化する中で、ソリトンはこちらのニーズを真摯に捉えて、定期的に訪問を重ねて丁寧に仕事していただけました。常に教育について真剣に考えてくれていることが伝わりましたし、システムだけでなく、人として任せられる、一緒に歩いて行けると感じています。これからも新しい学びの共創に、期待しています。」
お忙しい中、有り難うございました。
※本ページの内容は、2020年9月作成時の情報に基づいています。