2020年02月17日
ソリトンの超短遅延映像伝送技術が建機の遠隔制御に活用
株式会社ソリトンシステムズ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鎌田信夫 以下ソリトン)が開発した超短遅延映像伝送技術が、 株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)と株式会社小松製作所(以下コマツ)が共同で実施した、 ドコモの5Gプレサービスの5G通信を用いた建設機械の遠隔制御の実証実験で採用され、 「DOCOMO Open House 2020(※2)」において実証デモが行われました。
ここで利用された超短遅延映像伝送技術は、 ソリトンがモバイル回線向けに開発し多くの分野で利用されているZao-s製品の映像伝送プロトコル、 RASCOW™ (Real-time Auto Speed Control on Water-way model)を大幅に改良したもので、 Glass to Glass(※3)での遅延時間(※1)を50ミリ秒まで短縮したRASCOW2™です。 今回、建機のカメラの映像伝送および建機の制御信号伝送に、このRASCOW2™が組み込まれました。
DOCOMO Open House 2020では、会場である東京ビッグサイト 青海展示棟内のブースに、 複数台のモニタ、操縦レバー等から成る遠隔制御コックピットが設置、実際の建機は、 遠く離れた愛知県常滑市の中部国際空港付近に用意され、ドコモの5Gプレサービスの5G通信で接続、建機を遠隔で操縦しました(図1)。 建機に搭載したカメラの映像、建機の制御信号は、今回開発したRASCOW2™の伝送システム Smart-telecaster Zao-SH™ を用いて会場まで伝送され、受信機のコマツAIエンジンにより映像の解析が行われて人や障害物の検知を行います。 短遅延映像伝送により伝送された映像にAI推論を加えることで、建機の遠隔制御の安全性、機能能力を引き上げるものです。
ソリトンの超短遅延映像伝送技術は、これら建機の遠隔制御の他、自動車や船舶の自動運転の補助機能、 列車に対する遠隔監視・遠隔制御への利用など、検討されています。 広くIoT分野での応用の他、テレビ中継番組における現場とスタジオとのスムーズな対話を可能とするシステムとして、 今後の5Gの導入と相まって利用が急速に拡大するものと期待されます。
なお、ソリトンはLTEなどの公衆モバイル回線を使って、 高品質な映像をリアルタイムで伝送する「Smart-telecaster™ Zao-S」を販売しています。 独自に実装したH.265圧縮技術と映像伝送プロトコルRASCOW™により、 電波が不安定な環境でも安定した映像伝送を実現、報道分野やイベントのストリーミング中継、警察、消防などの 公共機関まで国内外で幅広く採用されています。
※1:遅延時間には回線に起因する遅延は含まれません。
※2:「DOCOMO Open House 2020」は、5GやAI、IoT などの 最新技術を活用したさまざまなサービス・ソリューションの展示、またドコモが協創を進めているパートナーによる講演や展示など、 幅広いドコモの取り組みを多彩なプログラムで提供するイベントです。 2020年1月23日(木)から1月24日(金)まで東京ビッグサイトで開催されました。
※3:「Glass to Glass の遅延時間」とは、 映像がカメラのレンズに入ってから表示装置のモニタに映し出されるまでにかかる時間を指します(回線遅延を含まない)。
【 Smart-telecaster™ Zao-Sについて 】
「Smart-telecaster™ Zao-S」は複数のLTEなどの公衆モバイル回線を使って、高品質な映像をリアルタイムで伝送するシステムです。 独自に実装したH.265圧縮技術と映像伝送プロトコルRASCOW™により、 揺らぎの大きい携帯電話回線上でも安定した映像伝送を実現、報道分野やイベントのストリーミング中継、警察、消防などの 公共機関まで国内外で幅広く採用されています。
・製品詳細ページ http://www.soliton.co.jp/zao-s/
【 この件に関する問合せ先 】 Mobile Broadcast 事業部 Tel: 03-5360-3860 stc-sales@list.soliton.co.jp