導入事例

住商ビルマネージメント株式会社

社内PCの利用に関する注意喚起や情報漏えい対策のためのPC操作ログ製品をリプレイス
クラウドシフトやテレワークなどの時代の変化に対応したモニタリングを実現

住商ビルマネージメント株式会社
  • 従来の情報漏えい経路の監視に加え、テレワークやクラウドシフトなどの働き方の変化にも対応した モニタリングを実現
  • クラウドストレージやビジネスチャットなどの 利用状況も把握可能
  • グラフィカルで見やすい多様な分析レポート から、情報活用の幅が拡大

住商ビルマネージメント株式会社様の導入構成(イメージ)

社内PCの利用に関する注意喚起や情報漏えい対策及び内部けん制の観点で利用してきたPC操作ログ製品のサービス終了に伴い、リプレイスを検討

オフィスビルの運営管理(プロパティマネジメント)の専門家集団として、住友商事グループの総合力を発揮し、高度で快適なオフィスサービスを提供する住商ビルマネージメント株式会社。今回の導入の背景を総務人事部 課長代理の髙野真輝氏は、次のように語る。

「当社の業務はBtoBが主で、個人情報を取り扱うことはそこまで多くはないのですが、ビル管理業務の対象の一つに健康管理室があり、そこでは医療関連の個人情報を多く扱います。当社はPマークの取得を機に、個人情報の取り扱い状況の把握や、情報漏えい対策のため、2008年にInfoTrace-OnDemandを導入しました。今回、長く活用してきた同サービスが2022年6月末をもってサービス終了というアナウンスがあり、新たなツールを探す必要に迫られました。」

同社ではこれまで、InfoTrace-OnDemandで取得したログを毎月初に『利用状況レポート』として取りまとめ、部内で共有していた。レポート内容は主に個人情報が不正に持ち出されていないかの監視に加え、USBデバイスの使用履歴や、Webサイトの閲覧状況なども含まれる。住友商事グループとしてのセキュリティ規程も関連し、ツールのリプレイスにあたっては、これらの状況把握とレポート業務が継続できることが求められた。

新たなツールの選定プロセスについて、総務人事部 主任の林 健太氏は「ソリトンの後継サービスのほか、主要なログ管理製品を4つほどピックアップ。実際にトライアル利用して機能や使い勝手を比較、検討しました。結果として、取得するログ範囲やレポート機能が充実していて、もっとも当社の運用に合致する InfoTrace 360を採用しました。」と話す。

ログ取得および可視化、レポート機能 を評価しInfoTrace 360を採用

InfoTrace 360とは、PC利用状況から、社員の勤務状況やアプリ、ファイル利用など業務環境を可視化。情報持ち出しなどの働き方に関するリスクの把握から、情報漏えい対策や業務環境の整備に活用できるクラウドサービスである。髙野氏は今回、InfoTrace 360を選定した決め手を、次のように語る。

「他社製品はいずれも、どちらかというと資産管理の色が強かったのですが、当社では資産管理は別で実施しており、その機能は求めていません。それよりも過去、社内不正防止やけん制の観点でPC操作ログ製品の有用性を実感していましたので、その機能を重視しました。その点InfoTrace 360は、我々が求めるログの取得と、レポート機能がもっとも充実している印象を受けました。特に、グラフィカルなレポート画面はとても見やすく、他社製品にはない魅力だと感じました。さらに、導入に際しネットワーク設定変更の手間が少ないことも、住友商事グループのネットワークの環境を利用している当社にとっては助かりました。」

加えて林氏は、従来利用していたInfoTrace-OnDemandとの比較について「InfoTrace 360ではオンラインストレージやチャットなどクラウドツールに関するログ取得が充実しました。初期設定が必要な他の製品と比べて、InfoTrace 360なら基本メニューから、すぐに利用できます。また、Webサイトの閲覧状況などのユーザーインターフェースもさらにグラフィカルになり、見やすくなりました。」と話す。

導入プロセスについて、総務人事部 チームリーダー補佐の渡邉裕樹氏は「世界的な半導体不足でサーバが調達しにくい状況もあり、当初からクラウド型での利用が前提でした。機器調達などのイニシャルコストもかからず導入できます。クライアントソフトウェアのインストールについてもトラブル無く、非常にスムーズに行う事が出来ました。」と話す。

ソリトンのサポートについて髙野氏は「ソリトンと直接やりとりするのは今回が初めてでしたが、Webからの問い合わせから製品の提案、その後の導入に向けてのやり取りもスムーズで、その辺りも決め手になりました。」と明かす。林氏も「こちらの要望相談や機能面での質問への回答も早く、丁寧に対応いただけて満足しています。導入後のサポートについても同様の印象ですが、正直導入から利用開始まで特にトラブルもなく、あまり問い合わせもしていません。検討開始から利用開始まで約1か月程度で、その間、難しいと感じることもありませんでした。」と話す。

従来機能の向上に加え、新たにクラウドサービスの利用状況も可視化
テレワークなど新しい働き方にも対応

こうして2022年5月、InfoTrace 360は270台の社給PCを対象として利用が開始された。同社ではこれまでと同様、社内PCの利用に関する注意喚起や、情報漏えい防止の観点で、社員が利用するPCのUSBデバイスの利用状況、またWebサイトの閲覧状況などの情報を収集し、レポートに活用している。髙野氏は「全体を俯瞰して状況把握し、相対的な数値比較からリスクのあるPC利用がないかをチェック。気になる数値があればドリルダウンして、PC個別のログなど詳細を確認しています。利用者である社員は特に意識するものではありませんが、当社はPC操作ログ製品を導入していると告知しており、一定の抑止力効果があると思います。」と語る。

新たな動きとして同社は昨年度、コロナ禍のテレワーク増加に伴いコミュニケーションツールとしてMicrosoft Teamsを導入。また、Boxなどのクラウドストレージ利用も増加傾向にあり、担当者レベルでそれらの利用状況も確認しているという。髙野氏は「今後はUSBなどの持ち出しデバイスよりもクラウドストレージのほうが重要になっていくでしょう。InfoTrace 360にしたことで各種SaaSの利用状況も把握しやすくなり、安心です。」と語る。

林氏はInfoTrace 360を「いろいろな気づきが得られて、見ていて楽しいツール」と評価した上で、その理由を次のように話す。

「たとえばTeamsを積極的に利用しているのは若い世代が中心で偏りがある、といった状況が把握できます。これはツール導入後の費用対効果を測る、定着率向上のためには?といった施策につなげることができます。また、サポートが終了したInternet Explorerについては利用しないようアナウンスしたものの、まだ使用されている、後継のブラウザは何が利用されている、などの状況も分かり、セキュリティリスク防止の観点で有効です。また、よく検索されているキーワードを見ることで、自社のビジネストレンドも把握できます。」

渡邉氏は「クラウドサービスごとの管理画面を見ることなく、統合的に利用状況が把握できて便利」と評価する。そして「今後、テレワークで自宅のPCを接続したなどの事態も起こるかもしれません。不動産業界ではまだアナログな部分も多く、また危機意識は個人差がありますので、こうした状況が常に把握できていて、Pマーク監査時など必要な際、すぐに証拠としてのログが確認できる安心感は大きいですね。」と、その効果を語る。

取得情報を活かし、経営に貢献するIT部門の情報発信ツールとしての
活用も検討

今後の展開アイデアとして、髙野氏は「当社ではまだ実施していませんが、例えば社員が良く検索しているワードでの傾向分析や、テレワークでの隠れ残業など就労状況の把握にも役立つでしょう。我々は毎年度末に、IT部門としての活動報告と今後の構想について報告する機会があります。その際にInfoTrace 360は単なるログ監視ツールとしてだけでなく、経営が求める『攻めのIT』を実現するための情報発信ツールとして、活用できる可能性を感じています。」と話す。

そして最後に髙野氏は、ソリトンへの期待を次のように結んだ。

「不動産業は業務上なかなかデジタル化が進まない業種ではありますが、テレワークやクラウド活用などの業務環境の変化を受け、社内システムにSSO(シングルサインオン)を導入し利便性を向上したい、といった要望も挙がっています。これからセキュリティ全般での検討でソリトンに声がけする機会が増えると思います。引き続き、有効なソリューションの提供に期待しています。」

お忙しい中、有り難うございました。

※インタビューの内容は、取材当時(2022年8月)のものです。

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