導入事例
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
全国営業部門の働き方変革へ
半年で6,000台のスマートフォン支給と業務コンテンツの拡充
- 営業社員のすきま時間活用による働き方の変革
- 導入と並行して行った社内教育で利用を促進
- 検討から導入まで6カ月というスケジュールを素早く実現
損害保険ジャパン日本興亜株式会社は、自動車保険・火災保険・地震保険・海外旅行保険など幅広い商品を扱う、国内屈指の損害保険会社だ。国内のみならず、アジア・北米・欧州など32か国・地域、211の都市で事業を展開している。また、2015 年10月より、サイバー攻撃関連の損害を補償の対象とした「サイバー保険」をいち早く販売開始するなど、顧客の変化にあわせた商品・サービスを提供している。
働き方変革チャレンジ
同社は2016年度より、業務プロセスやシステム基盤を刷新する「未来革新プロジェクト」をスタートさせており、デジタル技術を取り入れることでさらなる業務の効率化を図っている。6,000名いる営業担当者の業務効率を上げるべく、今回導入されたのがスマートフォンを使用した「すきま時間の活用」だ。損害保険ジャパン日本興亜の営業担当者は、全国の幅広いエリアで活動するため、業務特性上、移動時間が多いことが業務効率向上の妨げとなっていた。そのため、移動などのすきま時間にも多くの業務ができれば生産性を高められると考えた。
「すきま時間で仕事を行うことで、時間を創出することができます。業務効率向上のほか、お客様に接する時間も増やせるのでサービスの品質向上にも繋げたいと思いました」
そう語るのは、今回の導入計画の企画を進めたIT企画部 企画グループ 特命課長 神谷 智紀氏だ。
スマートフォン活用における課題
スマートフォンの活用を浸透させるためには、スマートフォンから、業務に必要な多くのコンテンツを使えるようにし、幅広い業務をこなせるようにすることが重要だと考えた。また、今回の導入に関しては、モバイル端末で仕事をするということを踏まえた社員教育も行った。導入準備を担当したSOMPOシステムズ株式会社 ITシステム本部クライアントサービスグループ 主任システムエンジニア 山田 秀徳氏は次のように語る。
「スマートフォンは肌身離さず持つものですのでどうしても紛失・盗難のリスクは伴います。今回のスマートフォンの導入では“デバイスを落としても、データは落とさない”ので安心して活用してもらうということをコンセプトにしてシステムを設計しました。そして、そのことを初期設定マニュアルの一番上に明記しました。セキュリティを堅牢にしてあるので、安心して持ち歩いて働き方を変えていってくださいと、社員の方々に示したかったんです」
ソリューション導入効果
多くのコンテンツを利用でき「デバイスを落としても、データは落とさない」。このコンセプトの実現を支援したのが「Soliton SecureBrowser」(SecureBrowser)だ。SecureBrowserならWebベースのアプリケーションであればオフィスで利用しているUIをそのまま利用でき、コンテンツの拡充を図れる。また、キャッシュや閲覧ファイルのデータは自動消去されるため、端末にデータは残らない。
この特長に加え、決め手となったのが導入スピードの速さだ。いくつかの製品を検討したが、その中でもSecureBrowserの導入スピードは抜きん出て早かったという。これはSecureBrowserがVPN機能を搭載しているため、社内コンテンツへのアクセスも同時に実現できたことが要因である。働き方の変革の展開スピードは非常に速く、当初より6カ月程度での導入を想定していた。そのため、短期間での導入を製品の選定基準としていた。2016年 4月ごろから検討を始め夏ごろには先行店と呼ばれる全国の支店から無作為に選ばれた3、4 店舗での試行を開始し、10月からは6,000名の営業に向けて端末の配布を開始するなど、短期間で導入を完了した。
現在、スマートフォンはG Suiteによるメール・スケジュールの他、Web化された社内の掲示板やFAQへSecureBrowserでアクセスし、チャットやスマートフォンのカメラ機能を使用したビデオ会議などにも活用している。今回の導入により、これまでのシンクライアント端末やフィーチャーフォンであった悩みが解決され、すきま時間での情報取得やコミュニケーション活発化に繋がった。面白い試みとして、同社ではユーザーがアプリのダウンロードを自由にできるようになっている。重要なデータはSecureBrowser内で扱い、便利だと感じたアプリはSecureBrowser外で自由に追加できるようにすることでそれぞれの使い方にあわせたカスタマイズが可能となっている。
「強固なセキュリティがあってこそ、できることだと思います」と山田氏はSecureBrowserのセキュリティ性能を評価した。社内の評判も上々でワークスタイルを変えられたという声も上がっているそうだ。
「営業部門がセキュリティを考えながら、業務を行うのは非効率的だと思うんです。セキュリティリスクのことはIT部門が担当するので、営業担当者は“この端末で仕事をしていれば安心なんだ” という考え方を持ってもらって、担当業務に集中してもらいたいです。そういった意味でもSecureBrowserが入った端末は良いものなんだと伝えたいですね」(神谷氏)
今はまだ、スマートフォンから使える社内コンテンツの数を絞っているが、今後はモバイルだからこそ活きてくるコンテンツの導入を検討していく予定だ。
営業部門のさらなる効率化を図るべく、導入後もヒアリングを行い、ソリトンシステムズのソリューションを活用していくそうだ。
お忙しい中、有り難うございました。
※本ページの内容は、2017年 5月作成時の情報に基づいています。