映像コミュニケーション事業(映像コム)

開発受託の「アステック」と言う会社が山形にあった。ある受託案件で、トラブルが発生したようで、創業者が悩みを持って相談に来たのだった。これを支援する話から、会社の合併に至り、2004年、アステックは当社の子会社になった。アステックは基板設計からソフト開発まで、色々な受託開発に取り組んでいた。子会社化の最初の2年は放置気味、黙って見ていた。3年目に「下請け仕事を止め!」と宣言した。取り組んでいたテーマの中にあった一つ「携帯電話の回線を複数束ねて断線無しにし、映像を送る」----「 これ、 面白そう。これだけ残せ。」と指示した。2008年、携帯電話の回線や無線Wi-Fiでハイビジョン級の映像を送信・受信するSmart Telecaster (STC) という製品を開発した。これが、当社の「映像コム事業部」の始まりである。

これによる映像送信はテレビ放送の生中継に適しており、まず、TV局に導入された。 2013年に、大阪大学発のベンチャー「シンセシス」が当社に合流、全く違った発想の画像処理技術をもたらした。 2015年、処理回路にFPGAを導入し、世界初のモバイルH.265/HEVCエンコーダー 、STC ―Zaoを完成させた。 2年後のモデル、STC Zao-Sで小型化と低消費電力化をはかり、その後、2019年に短遅延化したモデルを開発している。 これらの製品は、地方自治体における災害現場の確認や警察での遠隔監視に多く利用されている。 一方、近年のネット環境の普及を鑑みて、デバイス売りだけでなくCloudサービスを提供すれば、 気軽にこの先端映像技術を利用する世界が広がるはず、とクラウド化の開発も進めている。
この技術の延長線に大きいマーケットが迫っている。 それは、車の自動運転を支援する遠隔操縦、および建設機械や農機具類の遠隔操縦の世界である。 今、いくつかの地区で、無人の自動運転(遠隔操縦付き)が試用されている。 EV車の普及と共に、この種の自動運転が爆発的に一般化する日が近い。

素人のイラスト

ITS協議会は、2014年から、いくつかのテーマについて詳細検討するWorking Groupをスタートさせた。 Connected Carのセキュリティを検討するSecurity Working Group (主査、ソリトンシステムズ 取締役 遊佐 洋)もその一つであった。 このWGの活動開始は、インターネットITS 協議会、第14回 総会(2014年7月10日)で発表された。 このSecurity Working Groupの紹介において、議論するテーマを象徴するものとして、このイラストが示された。

原画は、ソリトンシステムズ代表、鎌田 信夫による手書きで、2014年春に描かれた。 2017年11月の「東京モーターショーシンポジウム2017」での遊佐 洋による講演でも、このイラストが引用、表示された。

運転席にDriverはいない。後部座席でサイバー攻撃を監視するのがDriverの仕事に?

次の時代の展望

(1)地球レベルの国民背番号
(2)地球沸騰(大火災、海水温の上昇など)を認識した新しい国際機関の誕生
(3)インターネットの2層化 ( Two Layers )

<記  載:2007年10月>
<修  正:2009年02月>
<加筆修正:2016年06月>
<改 訂 版:2023年08月>
<語句修正:2023年09月>